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2007年10月04日

小島なお『乱反射』とレミオロメン・藤巻亮太

きまって日曜日に図書館を訪れるのは、届けられた予約本を借りるためなのですが、カウンターの前に新着本の書棚があって、手続きの間に手を伸ばすこともあります。

たいていはぺらぺらとめくって元に戻すのですが、こちらは冒頭の一首に惹かれて借りてきました。

小島 なお
乱反射―歌集


こころとは脳の内部にあるという倫理の先生の目の奥の空


あとで知ったことですが、第50回角川短歌賞を受賞した‘乱反射’を中心に、17歳から20歳までの三年間に詠んだ歌をあつめた第一歌集だそうです。

冒頭の歌は、高校生時代のものですね。気になった歌をいくつか挙げてみると ―

天井に水面が映り水の夢浸透圧に冒された昼

牛乳のあふれるような春の日に天に吸われる桜のおしべ

黒髪を後ろで一つに束ねたるうなじのごとし今日の三日月

特急の電車ぐわんとすぎるとき頭の中でワニが口開く


十代の感性で切り取られた情景の中に、ほのかにたゆたう官能ともいうのでしょうか。そこに魅力を感じます。

図書館の本なのでとられていましたが、帯にはレミオロメンの藤巻さんが推薦文を書かれているそうです!

「あの頃を過ぎた人も、真っ只中の人も、全ての時間の一瞬一瞬ってこんなにも素敵だぞ」


ちょっと調べてみると、8月29日付け読売新聞水曜夕刊・カルチャー面の「PoPStyle」で、小島さんと藤巻さんの対談が掲載されているということで、さっそく(遅い^^;)チェックしてみました。そのなかで ―

藤巻:この歌集を読んだとき、言葉の質感にひかれました。例えば…。

【妹が叱られている雨の午後こぼれ落ちゆくアロエの果肉】

なんだか色や匂いがあって、ウェットな感じもする。かわいい。

小島:その歌をほめてもらったのは初めてです。ありがとうございます。

小島:そう言えば、わたしレミオロメンさんの曲を聴きながら、よく短歌を作ることがあります。

【ゆらゆらとくらげふえゆくこの夏もビニール傘はなくなっている】

この歌は、アルバム【HORIZON】の「傘クラゲ」を聴いていて、ふと言葉が浮かんできました。

藤巻:歌詞を書いていると、つい内面を吐露し過ぎることがあります。でもこの曲は、伝えたいことと自分を冷静に見ることのバランスがうまく取れた。

小島:「深海に沸く静かなマグマ」「二つの傘のクラゲ」。本当に独特な言葉遣い。触れていると、瞑想しているように自分の中でイメージがわき上がってきます。

短歌は今もそうでしょうけれど、声に出して歌うことが基本にあるのだろうと思うので、ポップスの歌詞とももっと影響し合ってもいいのかもしれません。

‘傘’が出てくる次の歌も気に入りました。

なんとなくかなしくなりて夕暮れの世界の隅に傘を忘れる


クァク監督の【ラブストーリー】のあのシーンがふと甦りました^^ そのつながりで次の歌も…。

なにもないこともないけどなにもない或る水彩画のような一日


小島なおさんの画像は、《コチラ

 


posted by sakae at 23:21 | Comment(3) | TrackBack(0) |
この記事へのコメント
小島なおさんと藤巻亮太さんのステキなお話から、sakaeさんに導かれるように私も知らず知らず口ずさんでいました。


『水彩画のような愛』

真夏 
分厚く絵の具を重ねた油絵
そんな愛もあるという

抜けるような秋の空
水彩画のような関係
そんな愛もある

皮千得さんに思いを馳せて。
いいお話を伺いました。
ありがとうございます。
Posted by saki at 2007年10月04日 23:38
瑞々しい感性と言ってしまえば、薄っぺらな表現になりそうですが、年代を超えたしなやかな視点を感じる歌ばかり。
その中に見え隠れするほのかな色が、とても素敵です。

角川短歌賞といえば、意識するしないは別にしても、その道に入った方には本当に大きな存在ではないでしょうか。

小島なおさんにかかると、四季おりおりの表情も心のデリケートな部分も輝いています。
心と言葉がこんなにぴったりと出会うなんて。

sakaeさんに載せていただいた藤巻さんとの対談!
レミオロメンに触発された小島さんとのお喋りに、彼女の短歌が花を添えてくれますね。
言葉を大切にするおふたりのお話が楽しいです^^

そして【ラブストーリー】へとつながる短歌とsakaeさんの感性が
手をつないで♪

『乱反射』というタイトルに、逆にある一点を見据える瞬間の小島なおさんを勝手に思い浮かべています。

永遠と一瞬が同居する、素敵なつながりのこの日の世界ですね。
Posted by vita88 at 2007年10月05日 00:03
おはようございます。

わたくしも子を産めるのと天蓋をゆたかに開くグランドピアノ
...sakaeさんにご紹介いただいた8月29日付読売新聞「PoPStyle」。漂うウエット感は官能的、漆黒と光の色の捉え方が印象的と小島なおさんの書き下ろしの10首を拝見しました。遅くなりましたが、ご紹介ありがとうございます。

レミオロメンのNEW SINGLE【Wonderful & Beautiful】が12月12日(水)にリリース、この発売を記念して、来週10月28日(日)に日比谷野外大音楽堂にてフリーライブが開催と嬉しいお話をいただいています。

http://www.remioromen.jp/wb/index.html

「ミュージシャンとしてではなく、一人 の人間として音楽を、言葉をより大切にしたいと思うきっかけになった曲」とのお話にsakaeさんにいただいたこちらの記事を思い出しました。
ありがとうございます。
Posted by saki at 2007年10月22日 07:05
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